麻疹について
麻疹は「はしか」とも呼ばれ、パラミクソウイルス科に属する麻疹ウイルスの感染によって起こる急性熱性発疹性の感染症です。
約10〜12日の潜伏期の後に、「カタル症状(鼻汁、咳、結膜充血、めやに等)」とともに38℃以上の発熱が認められます。
この状態が数日続いた後、いったん解熱するかにみえるものの再び高熱となり、全身性の発疹が現れて高熱はさらに4〜5日続きます。
発疹が現れる前から「コプリック斑(周りが赤く中心が白い口腔粘膜にできる粘膜疹)」と呼ばれる粘膜疹が頬の内側に認められます。
コプリック斑が出た翌日頃から発疹が出現します。
麻疹に罹患した場合、特異的な治療法はありません。
風疹について
トガウイルス科に属する風疹ウイルスの感染によって起こる急性熱性発疹症です。
潜伏期間は2〜3週間で、主な症状として発疹、発熱、リンパ節腫脹が認められます。
稀に血小板減少性紫斑病や脳炎を合併することがあります。
症状は比較的軽く、予後は一般的に良好ですが、血小板減少性紫斑病、脳炎等の合併症が1/2,000 人から1/5,000人の頻度で発生することがあり、軽視できない疾患です。
大人が罹患すると、その症状は乳幼児に比べて一般に重く、高熱が持続したり、関節痛の発生頻度が高くなったりするといわれています。
特に、妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、胎児も風疹ウイルスに感染し、出生児が難聴、先天性心疾患、白内障、精神運動発達遅滞等を発症する可能性が高いことが知られています。
麻疹・風疹ワクチンついて
麻疹風疹(MR混合ワクチン)
※当院では「麻疹・風疹混合ワクチン」のみ接種しております。
麻疹単独ワクチン、風疹単独ワクチンは接種できませんのでご注意ください。
ワクチン費用
麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)11,000円(税込)
※杉並区にお住まいで妊娠をご希望されている方には助成制度があります。
接種時の注意
生ワクチンのため、妊娠中は接種することができません。
また、接種後2ヶ月間は、妊娠を避けてください。
男性の接種は妊娠への影響はありません。
授乳期の接種も可能です。
麻しんワクチンは、現行のワクチンの中では比較的発熱率の高いワクチンです。