ぜんそくの治療
ぜんそくの目標
ぜんそくの目標は発作を抑えることではなく、発作が起きないように健康に生活することです。
そのため、ぜんそくをコントロールする必要があります。
- 健康な人と同じ生活が送れるようにすること
- 早朝や夜中に咳が出て睡眠を妨害しないようにすること
- 治療薬の副作用がないこと
- ぜんそくの発作が起きないようにすること
ぜんそくは慢性の炎症なので、発作が起きた時だけ薬で抑えても、繰り返し発作を引き起こします。それを繰り返していると、気道の炎症が悪化してさらに発作が起こりやすい悪循環に陥ってしまいます。
そうならないために、発作が起きていない時にも抗炎症薬で炎症を抑えることが大切です。
そして、症状が落ち着いていても定期的に通院してぜんそくがコントロールできているかチェックする必要があります。
症状が起きないようにする治療
症状が落ち着いている時でも炎症はあるので、アレルゲンや発作の引き金になる物質があると症状を引き起こしてしまいます。
そのため、発作が起きないように基本の治療薬は「吸入ステロイド薬」で治療します。
このほかに気道を広げて呼吸を楽にする薬を併用することもあります。
また、発作の原因になる物質を取り除く環境を作ることも大切です。
ハウスダストやペットの抜け毛などがないように、こまめに掃除をして清潔な環境を保つようにしましょう。
また、ストレスをためないように適度な運動をしたり、ゆっくりお風呂に入ったりするなどリラックスできる方法を見つけながら、十分な休養を取ってストレスを発散するように心がけましょう。
症状が起きた時の治療
発作が起きた時には、できるだけ早く発作を抑えることが最優先なので、短時間作用吸入薬などを用いて発作を抑えます。
それでも発作が落ち着かない場合や、横になれないほど苦しい時には、救急外来を受診しましょう。
ぜんそくを予防するには
室内の環境を整えましょう
お部屋の中はハウスダストを避けるために、掃除をすることが大切ですが、こまめに換気をして風通しを良くしましょう。
また、ダニのすみかになりやすい「ぬいぐるみ」「観葉植物」「カーペット・畳」「クッション」は控えた方がよいでしょう。
生活環境を整えましょう
十分な睡眠を取ってストレスをためない生活が大切です。
ストレスがたまると自立神経がバランスを崩してぜんそくの発作が出やすくなってしまいます。
ご自分に合った趣味などでストレスを発散しましょう。
また、ストレスがあると自覚している時こそ、吸入薬で症状をコントロールしましょう。
発作が出そうと心配になると、そのことがストレスになってしまう場合がありますが、集中して好きなことをしていると発作が出にくい傾向にあるので、心配し過ぎずに過ごしましょう。
体調を整えましょう
激しい運動をすると発作が起きやすいですが、症状が安定していて、適度な「サイクリング」「水泳」などをして心肺機能が高まると発作が起きにくい身体になります。
準備運動をきちんと行う、無理せず適度な運動量を保つなどのルールを守って適度な運動で発作を予防しましょう。
毎日の自己管理を行いましょう
ぜんそくは発作が起きた時だけ治療をすればよいわけではありません。
毎日の自己管理が大切になります。毎日記録をつけて体調の変化を管理しましょう。
薬がきちんと合っているか、症状がコントロールできているかなどを確認ができます。
- 早朝・夜間のぜんそくの発作の有無
- 昼間のぜんそくの症状
- ぜんそく症状による生活への影響があるか
- 長期管理薬の服用
- 発作治療薬の使用
測定器で呼吸の状態を確認します。
自宅で簡単にできる方法でできるだけ早く息を吐き出すことで数値を測ることができます。
この値は毎日記録する必要がありますが、毎日測定することで呼吸の状態を把握して薬が合っているかなどを調べることができます。
気道の炎症が悪化して、呼吸がしにくい状態だと数値が低くなり呼吸機能が悪くなっていることが分かります。
まとめ
ぜんそくは毎日の生活環境を整えてぜんそくの発作が起きないようにすることが大切です。
発作が起きた時だけに薬を使用すると、ぜんそくの発作で気道がさらに狭くなり、ぜんそくが悪化しやすくなってしまうこともあるので注意が必要です。
また、日常生活の中でストレスをためない、清潔な環境を整えて生活することも大切です。
また、ぜんそくを管理する長期管理薬を服用してぜんそくをコントロールしてください。
症状が落ち着いている場合でも、自己判断でやめたりせず医師の指示に従いましょう。