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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はかゆい湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な皮膚の疾患で、多くの方がアトピー素因(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかの既往歴、家族歴があるまたは特定のアレルゲンに対してIgE抗体を産生しやすい素因)を持っています。
かゆみのある湿疹を特徴とするため湿疹をかきこわすことが多く、それによりさらに症状が悪化する悪循環(itch-scratch cycle)が生じ、悪化すると不眠の原因になったり仕事や学業のパフォーマンスや生活の質が低下するなど、影響は皮膚だけにとどまらない疾患です。

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は

  1. ①皮膚のバリア機能の異常
  2. ②アレルギー性の皮膚の炎症
  3. ③かゆみ

の3つの要素で特徴づけられた疾患です。

体質的に皮膚のバリア機能が低下しているため(乾燥肌、敏感肌)、そうでない人と比べてアレルゲンなどの刺激が容易に皮膚の中に入り込むことで炎症が引き起こされ、湿疹やかゆみなどの皮膚症状が発生します。
通常皮膚は水分や皮脂からなるバリア機能が働いて、水分の蒸発や皮膚への異物の侵入を防いでいますが、アトピー性皮膚炎の患者さんでは体質的にその機能が落ちているだけではなく、かきこわすことでさらにバリア機能を低下させて症状を悪化させてしまうのです。

アトピー性皮膚炎の症状

かゆみ

アトピー性皮膚炎は、乾燥やバリア機能の低下でアレルゲンや刺激物質が皮膚に入り込みやすくなっていて、そのために皮膚の炎症が引き起こされた結果かゆみが生じます。
かゆみのために皮膚をひっかくと、さらにバリア機能を弱めて皮膚炎を悪化させ、さらなるかゆみを生むことになり、この悪循環がアトピー性皮膚炎を長引かせて症状が悪化する原因になっています。

アレルギー性炎症

アレルゲンが皮膚を介して体内に侵入しようとすると、その異物を排除しようとする働きで炎症が発生します。アトピー性皮膚炎の場合には排除しなくてもよいものに対しても過剰に免疫が反応して炎症を起こしてしまうのです。

症状は年齢によっても異なる

アトピー性皮膚炎の方は一般的に乳幼児の時期に発症して、成長とともに次第に症状が落ち着き大人になると症状が軽くなる傾向にあります。しかし症状が継続する場合や、一度治ったのにまた症状が出てきた時には治療に難渋することがありますので、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。

病院の受診をおすすめする場合

症状がある場合には早めに受診して治療を開始することをお勧めします。症状は個人差があります。気になる症状があるましたら自己判断ではなく、医師の診察を受けましょう。

  • 皮膚が乾燥してカサカサしている
  • かゆい発疹が左右対称、広範囲にある
  • 治っても再発する
  • 肘、膝など関節の内側に湿疹がみられる
  • アレルギー疾患がある家族の方がいる
セルフケアで経過をみる場合

原因がわかって自分で対処できる場合や症状が軽く医師からセルフケアで経過観察の指示があった場合には、保湿を十分にしてセルフケアやアレルゲン、刺激物質への対策を続けて様子を見ましょう。

アトピー性皮膚炎の診断

アトピー性皮膚炎は①かゆみ、②特徴的な皮疹と分布、③慢性反復性の経過の3点を満たす場合に診断されます。
診断に血液検査は必要ありませんが、疾患の重症度や治療効果、悪化の原因を把握するために血液検査(皮膚炎のマーカーやアレルギー検査)やパッチテストが行われることがあります。

アトピー性皮膚炎の治療

①薬物療法

まずは重症度や年齢に応じてステロイド外用剤や保湿剤を用いた治療を開始します。抗アレルギー剤の内服を併用することが多いです。外用剤による治療は症状がでたら治療する「リアクティブ療法」と症状がでないように予防的に治療する「プロアクティブ療法」の2種類があります。リアクティブ療法では再発することが多いため、最近はプロアクティブ療法で症状のでない状態を長期に維持することが推奨されています。
プロアクティブ療法では毎日の外用で症状が軽快した後も外用の頻度を減らしながら継続していきます。さらに、近年ではステロイド以外の外用薬(プロトピック®、コレクチム®、モイゼルト®)、注射剤(デュピクセント®、ミチーガ®)、内服薬(オルミエント®、リンヴォック®、サイバインコ®)などが使えるようになり、治療の選択肢が広がっています。各々の薬剤に適応や特徴がありますので、詳しくは医師にご相談下さい。

②スキンケア

スキンケアとは具体的には皮膚を清潔にすること、保湿によって水分や油分を補充することです。アトピー性皮膚炎の患者さんは表皮のバリア機能が低下してアレルゲンが侵入しやすい状態になっているため、炎症の原因となりうる汚れや汗、アレルゲンを洗い流し、低下している角質の水分含有量を改善するためにスキンケアは重要です。

  • 洗い方のコツ
    ボディソープやハンドソープは刺激になる場合がありますので弱酸性、低刺激性のものを選びましょう。また、ボディソープはよく泡立てた上でボディタオルやボディブラシは使わず手で洗うことをお勧めします。
  • 薬や保湿剤のぬりかたのポイント
    薬も保湿剤も入浴後はできるだけ早めにぬって乾燥を防ぐようにしましょう。薬をぬる場所、回数、ぬる量は指示に従ってください。ぬる量の目安としては、外用後の皮膚がテカテカとひかり、ティッシュペーパーが皮膚に張り付いて落ちない程度の量が適量です。
③悪化因子の把握とその対策

アトピー性皮膚炎が悪化する原因としては、環境における抗原や刺激物への接触や湿度や温度、ストレスなどの他にもいろいろあり、どれが悪化因子となるかは個人個人で異なります。以下に主な悪化原因について記載します。

  • 接触刺激(唾液、汗、髪の毛の接触、衣類との摩擦など)
    唾液や汗は洗い流すかすぐにふき取るようにしましょう。また、髪の毛は短く切る、束ねるなどして直接かゆみのある場所に触れないようにする、ごわごわした素材の衣服は避けるなどが必要です。
  • 接触アレルギー
    外用薬、化粧品、香料、金属、シャンプーやリンス、消毒剤などに対する接触アレルギーで皮膚炎が悪化することがあります。接触アレルギーを疑ったら原因と思われる物質との接触を避けなければなりません。接触アレルギーを調べるためにはパッチテストが必要です。
  • 食物
    特に乳幼児では食物アレルギーを合併するアトピー性皮膚炎がみられることがありますが、アレルゲン除去食がアトピー性皮膚炎の治療に有用だという証拠はなく、自己判断で特定の食物を除去することはお子さんの健全な成長を妨げるおそれがあるために避けるべきです。また、お子さんのアトピー性皮膚炎の予防を目的として以前おこなわれていた妊娠中、授乳中の食事制限は現在ではむしろ有害と考えられています。特定の食物について、食べても良いか食べない方がよいか悩まれたときは医師にご相談ください。
  • 吸入アレルゲン
    アトピー性皮膚炎の患者さんはダニ、花粉、ペットの毛などで悪化することがあります。ダニ対策としては布団に掃除機をかける、ベッドにぬいぐるみを置かないなど、ペット対策としては洗う、寝室にペットをいれないなどで対策する。花粉に関してはマスクや花粉眼鏡を着用するほかに外出後は玄関先で衣類の花粉を落とす、帰宅後は速やかに顔を洗うなどをお勧めします。
  • 発汗
    アトピー性皮膚炎の患者さんは発汗量が減少していることが多く、そのため皮膚が乾燥して皮膚炎の悪化につながることが多いです。また、汗そのものが皮膚に長時間付着することも皮膚炎の悪化につながるので、汗をかいた後は早めにシャワーをあびる、通気性のよい衣類を選択する、汗で湿った衣類は着替えるなどの対策が必要です。
  • 細菌、真菌
    黄色ブドウ球菌やカンジダ、マラセチアが皮膚炎を悪化させることもあるので、皮膚の清潔につとめましょう。

まとめ

アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下してかゆみや湿疹がでます。
また、かゆみのために患部を掻くことでさらにかゆみが増すという悪循環になりがちです。
慢性的に経過する疾患ですので信頼できる主治医をみつけて定期的に通院することが必要です。
かゆみやひどい湿疹はご本人にとってとてもつらいものです。早めに病院を受診して相談してみましょう。