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COPD(肺気腫)

COPD(肺気腫)

COPDとはChronic Obstructive Pulmonary Disease(慢性閉塞性肺疾患)の頭文字を取った名称です。以前肺気腫と慢性気管支炎と言われていた病気をあわせた名称です。米国ではCOPDによる死亡率が急速に増加しており、日本でも今後その傾向が強くなると考えられています。日本のCOPDの患者数は22万人程度ですが、実際は500万人とも言われています。

原因

多くはタバコによる肺機能低下です。タバコの煙に含まれる有害な物質を吸い続けると、気管支や肺に慢性的な炎症が起こり、痰の分泌が亢進したり、気管支末端の肺胞と呼ばれる酸素交換をする部分が壊れて肺の過膨張を起こします。

非喫煙者であっても受動喫煙によって、COPDやその他の呼吸器の病気にかかることがあります。また、大気汚染などもCOPDを引き起こす可能性があります。

症状

COPDの一般的な症状

「咳・痰(たん)が出やすい」「階段の上り下りなど、身体を少し動かしただけで息切れがする」など
COPDの場合、咳、痰、息切れが起こり、ほおって置くと進行性で日常生活に大きな支障をきたします。

COPDが進行した場合

「咳・痰(たん)が止まらなくなる」「入浴や着替えなどのちょっとした動作の際にも息切れがする」「外出が困難になる」など
COPDがさらに進行すると、これらのように日常生活に大きな支障をきたすものになります。
そして最終的には、運動能力が低下し、寝たきりになる、慢性呼吸不全や心不全など命にかかわる重い病気を併発する、などの深刻な症状があらわれます。

診断

40歳以上で咳や痰などの自覚症状があるかたはスパイロメトリーの検査をお勧めします。

スパイロメトリー検査は肺の力(肺機能)を測定する検査で、スパイロメーターという肺活量計の筒を口にくわえ、思い切り息を吸いこんだあとにできるだけ速く息を吐き出し、吐き切るまでを測定します。吐き出した息の最大量を努力性肺活量(FVC)と呼び、最初の一秒間に吐き出せる息の量を一秒量(FEV1)と呼びます。そして一秒量(FEV1)が努力性肺活量(FVC)の何%にあたるかという数値を一秒率(FEV1%)と呼び、この一秒率(FEV1%)が70%未満の場合、呼吸機能が低下しているとみなされ、COPDの可能性が疑われます。

慢性咳そうで、胸部レントゲンや肺機能で異常があれば診断は難しくありませんが、異常が認められない場合は、一番疑わしい病気として治療をしてみて、その効果をみるということになります。

治療

COPDの場合は、肺機能低下により、咳、痰、息切れが起こり、放って置くと進行し日常生活に大きな支障をきたします。しかし、早く診断、治療すればその進行を抑制することが可能になってきました。

タバコがCOPDの最大の原因ですので、喫煙しているかたは禁煙することが治療の第一歩です。年齢とともに肺機能も低下しますが、禁煙するとそのスピードを遅くすることができます。 ニコチン依存の状態になると、禁煙すること自体が難しくなりますが、禁煙外来で、専門医によるニコチン代替療法(ニコチン パッチなど)などの禁煙治療を受ける方法があります。 薬に関しては、今のところ、COPD自体を治療する特効薬はなく、呼吸困難などの症状をやわらげるための薬が用いられています。しかし、症状をやわらげる薬を用いることによって、苦しい→動かない→運動能力が低下する→呼吸困難が進行する、という悪循環を断ち切れば、病気の進行を遅らせることができます。気管支の収縮を抑えるために抗コリン剤や気管支拡張剤の吸入や貼付剤などを使います。場合によっては吸入ステロイドを併用することもあります。