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高血圧症

高血圧症

高血圧

高血圧症は日本人の40歳以上の2人に1人が患者であるといわれいる国民病です。血圧が高い状態が続いていても、ほとんど症状を感じることはありません。

そのため、健康診断などで「血圧が高い」といわれても、放置している方が多く見受けられます。しかし、「症状がない」ということは、「血圧を放置してよい」という理由にはなりません。高血圧によって動脈硬化が引き起こされると、血管の壁が厚くなり、血液の流れが悪くなり、さらに高血圧がひどくなるという悪循環に陥ります。

こうなってしまうと命にかかわる心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などの重大な病気をひき起こしてもおかしくありません。
患者さんは、「病院に行くとすぐに薬をだされるのでは?」と思っている方が多いようですが、状態次第でありすぐに薬が始まるわけではありません。

内容・症状について

血圧とは、全身に酸素や栄養を届ける血液を、心臓のポンプ作用によって全身に送り出すときに生じる「血管にかかる圧力」のことです。高血圧は、心臓から送り出される血液の量が多くなったり、血管が細く狭くなり血液の流れが悪くなったりすることで、血圧が高くなる病気です。

高血圧には、原因がはっきり分からない「本態性高血圧」と腎臓やホルモン異常などが原因で起こる「二次性高血圧」があります。二次性高血圧の場合は原因疾患を先に治療する必要性があります。しかし高血圧の大部分を占めるのは本態性高血圧です。これは遺伝的な素因に肥満や運動不足、塩分の摂り過ぎなどの悪い生活習慣が加わって起こるといわれますが、今のところ原因は分かっていません。

高血圧の診断基準

従来、血圧の正常値は「収縮期血圧140未満、拡張期血圧90未満」で、高血圧は「収縮期血圧160以上、拡張期血圧95以上」でした。その後、様々な研究により従来考えられていたよりも低い状態に保った方が、合併症を予防することがわかりました。高血圧が持続することで、脳梗塞や脳出血のリスクが約40%、心筋梗塞のリスクが約15%高まるといわれています。多くの人は、病気になってから「あのとき注意すればよかった!!」と後悔しますが、あとの祭りです。 脳梗塞は、一度起こしてしまうと麻痺など重大な後遺症をともなうため、それまでの生活が一夜にして一変してしまいます。

現在のガイドラインでは正常血圧が「収縮期血圧130未満、拡張期血圧85未満」で、高血圧は「収縮期血圧140以上、拡張期血圧90以上」となっています。ただし高齢者の場合、血圧が高めの方が生命予後のよい場合もあることから厳密な降圧は行わず、個々の症例・合併症なども考慮してきめ細かい設定が必要です。

分類 収縮期血圧   拡張期血圧
至適血圧 120未満 かつ 80未満
正常血圧 130未満 かつ 85未満
正常高値血圧 130~139 または 85~89
Ⅰ度高血圧 140~159 または 90~99
Ⅱ度高血圧 160~179 または 100~109
Ⅲ度高血圧 180以上 または 110以上
(孤立性)収縮期高血圧 140以上 かつ 90未満

血圧を測る習慣をつけましょう

まずは毎日、自宅で血圧を測る習慣をつけてください。自分の血圧の状態を知ることがスタートです。家庭用血圧計も、現在は安いものでも性能がいいものが多いため、好きなものを選んでもいいと思います。ただし指や手首で測るものよりも、上腕で測るもののほうが正確な値を知ることができます。血圧は測る時間や状況によって大きく左右されるため、毎日1~2回、決まった時間に測るようにします。一般的には、起床後1時間以内で朝食前と寝る前に測定するとよいでしょう。また必ず座って「測定部と心臓の高さを同じ」状態にして測定してください。

効果的な食事は

血圧が高い人にお勧めの食べ物はニンニクです。
アリシンと呼ばれるフィトケミカル成分が、血圧低下、血小板凝集抑制、コレステロール低下など動脈硬化予防に有用であるという、多くの報告がなされています。インドのタゴール医大の研究で、心臓発作を経験した患者432名を対象に、3年間ガーリックジュースを飲ませた群とガーリックの匂いだけをつけたジュースを飲ませた群とでは、ガーリックジュースを飲んだ群の心臓発作を繰り返す確率は32%低くなり、死亡率は45%下がった報告があります。もちろん、塩分を控えるのがよいとされるのは、いまも昔も変わりません。

治療

高血圧の治療の中心となるのは、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つです。このうち、食事療法と運動療法は、すべての高血圧の患者さんが最初に取り組む治療であるとともに、長期にわたって続けていく治療の基本でもあります。この2つの治療法を行っても血圧の調節が難しい場合やその他の病気がある場合は、薬物による治療も行われます。